分岐式の構成

このセクションでは、Curl® 言語の分岐式について説明します。分岐式を使用してループ式のフロー制御を強化できます。Curl 言語には、次の分岐式が含まれています。

continue
break
return

continue 式

要約：

continue 式は、現在のループの繰り返しの最後、または、next 内に制御を移します。
Curl® RTE は続いてループ条件を再評価します。

ループ内から continue 式を使用してプログラム制御を移すことができます。現在のループの最後にプログラム制御を移したり、ループが他のループ内にネストされる場合は外側のループにプログラム制御を移すことができます。continue 式の実行後、ループ条件が常に再評価されます。つまり、continue 式により、現在のループの繰り返しの最後に制御が移動することになります。(ループには、while、until および for 式が含まれます。)

tag 句なしで continue 式を指定すると、現在のループの最後に制御が移動します。さらに、次に実行するコードを決定する前にループ条件が再評価されます。tag 句を指定すると、指定したタグ名を持つループの最後に制御を移動します。

next キーワードがループ内に存在する場合は、 continue 式は、next キーワードで既定されているコードに制御を移します。

continue 式の構文を次に示します。

構文：

{continue [tag=tag-name]}

説明：

tag-name

タブ付きの囲みループ名です。タグ名は有効な Curl 言語の識別子を使用します。タグ句の使用はオプションです。

次の例では、タグを指定せずに continue 式を使用しています。

例: continue 式の使用

{value
    || Define and initialize an integer variable i.
    || Define a vertical box variable "message" to store
    || and display a string.
    let i:int=0
    let message:VBox={VBox}

    || while i is less than 2, do the following:
    ||  - Increment i (add 1 to its value).
    ||  - Place an appropriate string in message.
    ||  - Perform the for loop.
    ||  - Place an appropriate string in message.
    {while i < 2 do
        set i = i + 1
        {message.add "outer loop: start iteration for i = " & i}

        || For values of j between 0 and 5, do the
        || following:
        ||  - If j is 3, "continue" the "for" loop.
        ||  - Place an appropriate string in message.
        {for j = 0 to 5 do
            {if j == 3 then
                {continue}
            }
||--             next
            {message.add "inner loop: j = " & j}
        }
        {message.add "outer loop: end of iteration"}
    }

    || Display the contents of message.
    message
}

上例では、j が 3 と等しい場合は for ループの最後に制御が移動し、次に for ループ条件をテストします。この for ループ条件が満たされていないので、次の for ループの繰り返しが開始されます。

next キーワードを含む行からコメントを除くと、 continue 式のターゲットとして扱われます。上例では、j が 3 と一致する場合に次のコードは実行されます。

{message.add "inner loop: j = " & j}

inner loop: j = 3 がアウトプットに追加されます。

次の例では、タグ名を指定して continue 式を使用しています。

例: タグ名を指定して continue 式を使用

{value
    || Define and initialize an integer variable i.
    || Define a vertical box variable "message" to store
    || and display a string.
    let i:int=0
    let message:VBox={VBox}

    || while i is less than 2, do the following:
    ||  - Increment i (add 1 to its value).
    ||  - Place an appropriate string in message.
    ||  - Perform a for loop.
    ||  - Place an appropriate string in message.
    {while tag=outer-loop, i < 2 do
        set i = i + 1
        {message.add "outer loop: start iteration for i = " & i}

        || For values of j between 0 and 5, do the
        || following:
        ||  - If j is 3, "continue" the "for" loop.
        ||  - Place an appropriate string in message.
        {for j = 0 to 5 do
            {if j == 3 then
                {continue tag=outer-loop}
            }
            {message.add "inner loop: j = " & j}
        }
        ||--         next
        
        {message.add "outer loop: end of iteration"}
    }

    || Display the contents of message.
    message
}

上例のように、j が 3 と等しい場合は outer-loop タグ (while ループ) を指定してループの最後に制御が移動します。while ループ条件をテストして実行を続けます。

上の状態では、次のコードは実行されません。

{message.add "outer loop: end of iteration"}

next キーワードを含む行からコメントを除くと、 next は、continue 式のターゲットとして扱われます。結果として、next の次の行のコードが実行され、 outer loop: end of iteration がアウトプットに追加されます。

break 式

要約：

break 式はループ外に制御を移します。

break 式を使用してループを終了することができます。現在のループ外にプログラム制御を移したり、ループが他のループ内にネストされる場合は外側のループにプログラム制御を移すことができます。つまり、通常ではループがコードを繰り返し実行するような場合でも、break 式によりループを終了できます。(ループには、while、until および for 式が含まれます。)

tag 句なしで break 式を指定すると、現在のループを終了します。tag 句を指定すると、指定したタグ名でループを終了します。

break 式の構文を次に示します。

構文：

{break [tag=tag-name]}

説明：

tag-name

タグ付きの囲みループ名です。タグ名は有効な Curl 言語の識別子を使用します。タグ句の使用はオプションです。

次の例では、タグを指定せずに break 式を使用しています。

例: break 式の使用

{value
    || Define and initialize an integer variable i.
    || Define a vertical box variable "message" to store
    || and display a string.
    let i:int=0
    let message:VBox={VBox}

    || While i is less than 2, do the following:
    ||  - Increment i (add 1 to its value).
    ||  - Place an appropriate string in message.
    ||  - Perform a for loop.
    ||  - Place an appropriate string in message.
    {while i < 2 do
        set i = i + 1
        {message.add "outer loop: start iteration for i = " & i}

        || For values of j between 0 and 5, do the
        || following:
        ||  - If j is 3, "break" the "for" loop.
        ||  - Place an appropriate string in message.
        {for j = 0 to 4 do
            {if j == 3 then
                {break}
            }
            {message.add "inner loop: j = " & j}
        }
        {message.add "outer loop: end of iteration"}
    }

    || Display the contents of message.
    message
}

上例のように、j が 3 と等しい場合は for ループを終了し、for ループに続く最初の式に制御を移します。

複数の囲みループに一致するタグ名を持つ break 式に遭遇すると、最も内側の囲みループを出ます。

return 式

要約：

return 式は、プロシージャからそのプロシージャを呼び出した式に制御を移します。
囲まれた式の値は、プロシージャコールの値として返されます。

return 式を使用して、プロシージャ内からそのプロシージャを呼び出した式にプログラム制御を移すことができます。return 式に遭遇すると、プロシージャ内のコードの実行を終了し、プロシージャコールに制御を戻し、さらに return 式で囲まれた式をプロシージャコールの値として使用します。return 式を使用して複数の値を返すことができます。return 式の詳細は「プロシージャ」を参照してください。

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