Curl® 統合開発環境 (IDE) では、アプリケーションの管理とディプロイメントにプロジェクトを使用します。この章では、プロジェクトとは何か、さらにこれを使ってどのように Curl® 言語のアプリケーションを開発するかについて説明します。
Curl アプリケーションは、Curl アプレット ファイル、Curl パッケージ、画像ファイル、データ ファイル、さらにアプレットを埋め込む場合はその HTML ファイルなどを含め、多様なファイルで構成されます。統合開発環境はこれらのファイルを 1 つのプロジェクトとして扱います。プロジェクトは次のような状況で Curl アプリケーションの開発に活用されています。
- プロジェクトを開くと、プロジェクト ペインにすべてのプロジェクト ファイルが表示されます。プロジェクトのファイルを編集するには、プロジェクト ペインで項目をダブルクリックします。
- ファイルやパッケージがプロジェクト ディレクトリの外側にある場合、プロジェクト内でこれらへの参照を保存することによりプロジェクトに含めることができます。
- 開発およびテスト中、統合開発環境から直接プロジェクト全体を実行できます。
- ディプロイメント情報を管理および保管して、統合開発環境からプロジェクトを配置できます。
各プロジェクトは独自のディレクトリを構成します。プロジェクトを含むディレクトリはサブディレクトリを持つことができ、そこにプロジェクトや他のリソースを含めることができます。
プロジェクトには、次のような多様なリソースを含めることができます。
- ファイル システムに保存されているファイル
- ファイル システムに保存されているディレクトリ
- ファイル システムに保存されているパッケージ
- インターネット、イントラネット、またはファイル システムで利用可能な Curl マニフェスト
Curl 統合開発環境では、プロジェクト情報をプロジェクト ファイル (
project.cprj) とプロジェクト マニフェスト ファイル (
manifest.mcurl) に保存します。普通はプロジェクト ファイルを表示したり編集する必要はありません。統合開発環境は、マニフェストの名前をプロジェクトペインにリストされる各プロジェクトのトップレベル ノードとして表示します。マニフェストの名前をダブルクリックするとマニフェスト ファイルを開くことができます。プロジェクト マニフェスト ファイルは編集が可能ですが、編集を行う場合は、統合開発環境もこのファイルを更新するという点に注意してください。マニフェストファイルが
include 文を含む場合、このインクルードされるマニフェストにあるコンポーネントは IDE によって表示されせん。
「
マニフェスト」を参照してください。
プロジェクトマニフェストはプロジェクトのリソースを定義し、これらのリソースの場所に関する情報を管理します。 プロジェクトが変更されるに応じて、統合開発環境は自動的にプロジェクト ファイルとプロジェクト マニフェスト ファイルの管理を行います。プロジェクトにファイル、ディレクトリまたは
package を追加すると、マニフェスト ファイルにあるそのパッケージの
component 項目が更新されます。
delegate-to をプロジェクトに追加し、他のマニフェストに委譲することもできます。
統合開発環境は、プロジェクト リソースをマニフェスト名の下にノードとして表示します。パッケージはパッケージ自体の名前が表記されます。プロジェクトにパッケージを追加すると、そのパッケージ ファイルの
include ステートメントが検索され、インクルードされているファイルがパッケージ名の下のノードとして表示されます。これらのファイルはマニフェスト名で表示されます。
Curl 統合開発環境のディプロイメント プロセスでは、ターゲットにコピーするプロジェクト ファイルを定義することができます。これにより、たとえば製品仕様や進行状況レポートなど、作業の管理に役立つものでありながら、ディプロイ アプリケーションとは一緒にできないファイルを含めることができます。さらにこのディプロイメント プロセスを使って、リソースのローカル コピーで作業したり、異なるディプロイ アプリケーションの場所を指定することもできます。プロジェクトのディプロイメントの詳細は、「
プロジェクトのディプロイメント」を参照してください。
新規プロジェクトを作成するには、
[ファイル] メニューの
[新規プロジェクト] コマンドをクリックします。
[新規] ダイアログの
[新規プロジェクト] タブが選択された状態で開きます。
[ファイル] メニューの詳細は、「
ファイル メニュー」を参照してください。
- [ビジュアル レイアウト エディタ プロジェクト] は、スケルトン状態のビジュアル レイアウト ファイルと、このレイアウト ファイルを表示するアプレットを含むプロジェクトを作成します。
- [アプレット プロジェクト] は、ブラウザから直接表示できるスタンドアロンのアプレットを含むプロジェクトを作成します。
- [独立型アプレットプロジェクト] はブラウザと関連していないウインドウ内で表示される独立型アプレットを含むプロジェクトを作成します。
- [HTML ページに埋め込まれたアプレット プロジェクト] は、Curl アプレットとアプレットを埋め込んだ単純な HTML ファイルを作成します。
- [空のプロジェクト] は、ファイルを含まないプロジェクトを作成します。新規パッケージのプロジェクトを作成するには、最初に空のプロジェクトを作成し、[新規ファイル] タブの [パッケージ] オプションを使って空のパッケージ ファイルを作成します。
[マニフェスト名] ボックスに、プロジェクトのマニフェスト名を入力します。ここに入力する名前は、生成される一部のファイルで使われ、有効な Curl 識別子を付ける必要があります。
[ディレクトリ] ボックスに、プロジェクト ファイルを保存するディレクトリのパスを入力します。ディレクトリが存在しない場合、これを作成するかどうかを確認するメッセージが表示されます。[参照] をクリックしてディレクトリの場所を見つけることもできます。
[API バージョン] ボックスに、このアプレットと互換性のある Curl API のバージョンを選択します。選択するバージョンがわからない場合は、最新バージョンにしておくのが最も安全です。
[詳細設定] ボタンで、[プロジェクトの詳細設定] ダイアログが開きます。このダイアログには以下のものがあります。
- スタイルシートの使用 : このセクションは [プロジェクト プロパティ]タブの [スタイル シート] タブ と同じです。「スタイル シート」を参照してください。
- 型のチェックのために新しいファイルで 'careful?' コンパイラ ディレクティブを使用 : このチェックボックスがオンのときは、IDE は {compiler-directives careful? = true} をプロジェクトで作成されたすべてのアプレット ファイルの applet 宣言に追加します。「コンパイラ ディレクティブ」を参照してください。
[OK] をクリックします。統合開発環境は、プロジェクト ファイル (project.cprj)、プロジェクト マニフェスト ファイル (manifest.mcurl) およびプロジェクト用に自動生成されるファイルがあればこれらを作成し、プロジェクトを開きます。
[プロジェクト] メニューの
[プロパティ] コマンドを使い
[プロジェクトのプロパティ] ダイアログを開きます。このダイアログではいくつかのカテゴリに属するプロパティを設定できます。
[プロジェクト] メニューの詳細は、「
プロジェクト メニュー」を参照してください。
[全般] プロジェクト プロパティ タブでは、プロジェクトの基本的な属性を設定できます。
- [マニフェスト名] を使って、このプロジェクトのマニフェストの名前を設定します。これは、プロジェクト ペインのファイル階層の最上部と、プロジェクト マニフェスト ファイルの manifest 宣言に現れる名前になります。
- [プロジェクト ファイル] には、プロジェクト ファイルのパスとファイル名が表示されます。
- [API バージョン] を使ってこのプロジェクトの API バージョンを示します。 [プロジェクト] メニューの中の [APIバージョンの変更] からAPIバージョンの変更ができます。「プロジェクト メニュー」を参照してください。
- ['careful?' コンパイラ ディレクティブの使用] のチェックボックスが true になっている場合、全ての新しいアプレット、スクリプト、パッケージは careful? compiler-directives フラグが true とセットされた状態で新規作成されます。careful? フラグの詳細は with-compiler-directives をご覧ください。
- [起動ファイルの設定] を使って、プロジェクトの実行時に起動するファイルを選択します。このファイルはCurlアプレット ファイルか独立型アプレット ファイルまたはアプレットを埋め込んだ HTML ファイルのいずれかになります。プロジェクト内の他のファイルは、実行コマンド実行することができます。
[OK] をクリックすると、このウィンドウの変更内容が適用されます。
[ターゲット] プロジェクト プロパティ タブでは、このプロジェクトのディプロイメント ターゲットを作成して管理します。「
プロジェクトのディプロイメント」を参照してください。
[追加] および [設定] ボタンはそれぞれ、新規ターゲットの作成か、既存ターゲットの設定変更のためのダイアログを開きます。このダイアログには次のフィールドがあります。
- [名前] ターゲットの名前を入力します。この名前は [プロジェクト] メニューの [現在のターゲット] リストに表示されます。
- [ロケーション] ディレクトリのパスを入力します。[プロジェクト] メニューの [ディプロイ] または [OCC 用のディプロイメント] コマンドを選択すると、このディレクトリにファイルが書き込まれます。
- [ディプロイコードの署名] このチェックボックスをオンにして、
アプレットとそのマニフェストをデジタル署名します。
- [証明書のロケーション] 証明書ファイルのパスを入力します。
このファイルは Verisign® や Thawte® などの、公開鍵または秘密鍵を発行する機関からのファイルとなります。
- [説明] このターゲットの簡単な説明を入力します。
[削除] ボタンは、選択したターゲットを削除します。[コピー] ボタンは、選択したターゲットのコピーを作成します。
新規のアプレットが作成された際にルック アンド フィールを選択するために
[スタイル シート] プロジェクト プロパティ タブが使われます。
[カスタム スタイル シートの使用]を選択して、プロジェクト マニフェストで定義したカスタム
スタイル シート の名前を指定することも可能です。
スタイル シートの変更は既存のアプレットには一切影響を与えず、この設定後に新規のアプレットが作成されたときにその変更が有効になります。
スタイル シート タブには3つの選択肢があります。
既定では[既定のスタイルシートの使用] ボタンが選択されており、この場合はアプレット ファイルが作成されたときにIDEにより特別なアクションが取られることはありません。
新規に作成されたアプレットは既定のルック アンド フィールを使用します。
[プラットフォームUIの使用]を選択した場合は下記のコードがIDEまたはVLEで作成した各新規アプレットの最初の行の付近に挿入されます。
{install-style-sheet
null,
look-and-feel = the-standard-look-and-feel
}
このコードは スタイルシート無しの バージョン 6.0 のルック アンド フィールを指定しています。
[カスタム スタイル シートの利用]を選択した場合は「スタイル シートのコンポーネント名」を指定することが可能です。
これは単純にプロジェクト マニフェストで定義されたスタイル シートの名前を指定します。
IDEまたはVLEで新規アプレットを作成した際に、"MY_STYLE"という名前をコンポーネント名として入力すると下記のコードがファイルの最初の行の付近に挿入されます。
{install-style-sheet
{manifest-url "file", "MY_STYLE"}
}
この
manifest-url は RTE に"MY_STYLE" という名前のコンポーネント ファイルをマニフェストから探すように伝えます。
これを正しく動作させるために、下記の例のようにマニフェストに "MY_STYLE" という名前を定義する必要があります。
{component file MY_STYLE,
location = "style-sheet.scurl"
}
このコンポーネント宣言は自分でプロジェクトのマニフェスト(多くは manifest.mcurl)に追加する必要があります。
それと同時に"style-sheet.scurl" というスタイル シート ファイルを作成する必要があります。
スタイル シートは単純なファイルであり、ファイルの最後の式で
StyleSheet を返却します。
色々な種類のスタイル シート ファイルを持っている場合は、マニフェストの MY_STYLE エントリの中の
location を変更することで簡単に入れ替えが可能です。
この情報を入力して [OK] をクリックしプロジェクトに追加すると、VLE で編集したレイアウトに追加した任意のコントロールが指定されたスタイルを使用してレンダリングされます。スタイル シートを追加した後にプロジェクトで作成したどのアプレット ファイルも指定されたスタイルでコントロールを表示するために要求されるコードを格納しています。
[ソース コード管理] と名前が付いたプロジェクトプロパティのタブからは、
このプロジェクトでサポートされているソース コード管理システムの IDE インターフェイスを設定することができます。
ソース コード管理 を参照してください。
ダイアログから OK を選択し、プロジェクトのソース コード管理を有効にすると、
さらなる情報を入力する SCC システム UI のダイアログが表示されます。
- [ソース コード管理を有効にする] このチェックボックスをオンにして、
プロジェクトの IDE ソース コード管理のインターフェイスを有効にします。
- [プロバイダー] ソース コード管理のプロバイダー名をドロップダウンのリストから選択します。
このリストには、使用しているローカルマシーンにインストールされているサポートされている全 SCC システムの名前が含まれています。
- [ユーザー名] SCC システム のユーザー名を入力します。
- [詳細な設定] このボタンを押すと、SCC システムのその他のパラメーターを設定することが可能になります。これは、SCC システムのユーザーインターフェイスの一部のダイアログです。
ここで新しい Curl 言語ソース ファイルを作成して、プロジェクトに直接追加することができます。
[ファイル] メニューで
[新規] を選択すると、
[新規] ダイアログの
[新規ファイル] タブが開きます。
[ファイル] メニューの詳細は、「
ファイル メニュー」を参照してください。ファイルの種類を選択します。
- [アプレット] は Curl アプレットのヘラルドを含む新規ファイルを作成します。Curl® 実行環境で直接ロードされるファイル、または HTML ページに埋め込むファイルを作成するのに使います。
- [独立型アプレット] は、独立型アプレット として実行する新規の.dcurlファイルを作成します。Curl アプレットのヘラルドおよびメインウインドウを形成するコードを含みます。メインウインドウが閉じると終了します。ブラウザと関連していないウインドウ内で実行するファイルを作成する場合に独立型アプレットを使用します。
- [空の .scurl ファイル] は、空の Curl 言語ソース ファイルを作成します。このファイルは直接実行できません。 include でメインのパッケージ ファイルにインクルードするファイルを作成するのに使用します。
- [パッケージ] は、パッケージのヘラルドを含むファイルを作成します。
- [空のエディタ バッファ] は、ファイルの関連付けを持たない空のバッファを作成します。バッファは任意のファイル名で保存することができます。
[ファイル名] ボックスに、ファイルの名前を入力します。既存のァイル名を入力すると、このファイルの上書きを警告するメッセージが表示されます。
既定のディレクトリ (プロジェクト ファイルと同じディレクトリ) にファイルを作成しない場合は、[ディレクトリ] ボックスのパスを編集します。
Curl ソース ファイルの場合は、このファイルがサポートする Curl API バージョンを選択します。 通常は、プロジェクトの Curl API バージョンと同じバージョンにしてください。
このファイルをプロジェクトに含めるには、[このファイルを現在のプロジェクトの一部にする] を選択します。
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