XMLフォーマットを扱う場合、Curlでは標準APIとしてSAX(Simple API for XML)機能が用意されています。SAXはXML文書を先頭から解析し、発生したイベントをアプリケーションでキャッチして処理するAPIです。DOMに比べ、解析速度が速く少量のメモリ消費量というメリットがありますが、ノードの追加、削除等、XML文書を更新する機能はありません。
ここではSAXパーサーを利用したXML解析方法について、下記サンプルXMLを用いて説明します。
<RecordSet> |
SAXパーサーを使用するためには、まずDefaultHandlerクラスを継承したイベントハンドラを作成します。このクラスのstart-document、end-document、start-element、end-element、charactersメソッドを実装します。下記サンプルは、それぞれのメソッドで取得したXMLの値等をoutputプロシージャにて結果を表示させています。
{define-class public MySAXApp {inherits DefaultHandler} {method public {start-document}:void {method public {end-document}:void {method public {start-element {method public {end-element {method public {characters |
各XML構文解析イベントを受け取り呼び出されるメソッドの説明は下表の通りです。
start-document | ドキュメント開始の通知を受け取ります。 |
end-document | ドキュメント終了の通知を受け取ります。 |
start-element |
要素の開始の通知を受け取ります。 |
end-element |
要素の終了の通知を受け取ります。 |
characters | 文字データの通知を受け取ります。 |
XML構文解析イベントの流れは、まずstart-documentメソッドが実行されます。ノードを読み込むとstart-elementメソッドが実行され、タグ名や属性等を取得できます。次にstart-elementメソッドが終了すると、charactersメソッドが実行され、テキストを取得できます。最後に終了タグを読み込むため、end-elementメソッドの中身が実行されます。
これらのハンドラの呼び出し方法は、以下のようにSAXパーサーを作成し、set-content-handlerを使用して上記で作成したイベントハンドラを登録します。
{let xr:XMLReader = {SAXParser}} |
上記にて作成したSAXパーサーのparseメソッドを使用してXMLデータを解析します。
{xr.parse {InputSource system-id = XMLデータのURL}} |
実行結果
#start-document
#start-element
タグ = RecordSet
属性名 = <null>
属性 = <null>
#characters
要素 =
#start-element
タグ = Record
属性名 = name
属性 = AAA
#characters
要素 =
#start-element
タグ = Value
属性名 = <null>
属性 = <null>
#characters
要素 = “123”
#end-element
タグ = Value
#characters
要素 =
#start-element
タグ = Value
属性名 = <null>
属性 = <null>
#characters
要素 = “456”
#end-element
タグ = Value
#characters
要素 =
#end-element
タグ = Record
#characters
要素 =
#start-element
タグ = Record
属性名 = name
属性 = BBB
#characters
要素 =
#start-element
タグ = Value
属性名 = <null>
属性 = <null>
#characters
要素 = “xyz”
#end-element
タグ = Value
#characters
要素 =
#end-element
タグ = Record
#characters
要素 =
#end-element
タグ = RecordSet
#end-document
サポートバージョン
RTE5.0以上
参考ドキュメント
http://developers.curlap.com/curl/docs/rte/6.0/ja/docs/ja/dguide/using-sax-xml.html